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●友だちBOOKSの本棚Vol. 6:『四つの嘘』

大石静著
幻冬社
★★「同級生」という宿命のライバル★★
高校時代の同級生4人の人生が、ある人物の死によって再び重なった。
高校時代はモデルのような外見で、クラスのリーダー格だった満希子。その腰ぎんちゃくのような存在で、おっとりした少し気の弱い美波。その美波の恋人を遊び半分で奪った「魔性の女」、詩文。そして同級生たちには目もくれず、医者を目指してひたすら勉強していたネリ。彼らが41歳の年に、美波が事故で死ぬ。20年以上も前、子供からおもちゃをとりあげるようにして彼女の恋人を奪った詩文が、その知らせを聞いたとき、激しい羨望を感じた……。ページをめくるごとにその理由が明らかになっていく。
4人は高校時代から仲良しというわけではない。満希子と美波こそ高校生らしいべったりとした友情でつながっていたが、実際は気の強い満希子が美波を子分として従えていたようなもの。詩文は変わり者で、ネリは級友たちから一目置かれる一匹狼。そんなどこの学校にでもいる4人の女子高生が、中年期を迎え、それぞれに「私の人生、これでよかったのか」と自問しているさまが描かれている。人が足をとめるほどの美人だった美波は婿養子をとって家業を継ぎ、普通のおばさんになった。ネリは希望どおり医者にはなったが仕事づけの日々でいまだに独身。詩文は美波から奪い取った男とできちゃった結婚、その後すぐに離婚してシングルマザーとなった。
高校時代には4人のなかで一番目立たなかった美波が最も劇的な人生のクライマックス=死を迎えたことをきっかけに、残された3人の世俗的な悩みや迷いが、はっきりとした輪郭をもって本人たちに迫ってくる。美波はこうなることを選んだ。私はどうなのか?このままでいいのか?
本書は、女性同士の美しい友情の物語では決してない。むしろ女に独特の虚栄心や身勝手や支配欲といった負の感情の絡み合いを描いた部分が多い。それでいながら昼メロのような女の泥仕合で終わらないのがこの作品のすごいところ。物語り後半に用意されているもう一つの事件を機に、ドロドロとした女同士の感情のぶつかりあいは、一転して乾いた明るさを放つようになる。読み終えたあと、ままならぬ日常と取っ組み合って生きている女たちの、ある種の連帯感のようなものを読者は感じることだろう。
(中嶋愛)
高校時代には4人のなかで一番目立たなかった美波が最も劇的な人生のクライマックス=死を迎えたことをきっかけに、残された3人の世俗的な悩みや迷いが、はっきりとした輪郭をもって本人たちに迫ってくる。美波はこうなることを選んだ。私はどうなのか?このままでいいのか?
本書は、女性同士の美しい友情の物語では決してない。むしろ女に独特の虚栄心や身勝手や支配欲といった負の感情の絡み合いを描いた部分が多い。それでいながら昼メロのような女の泥仕合で終わらないのがこの作品のすごいところ。物語り後半に用意されているもう一つの事件を機に、ドロドロとした女同士の感情のぶつかりあいは、一転して乾いた明るさを放つようになる。読み終えたあと、ままならぬ日常と取っ組み合って生きている女たちの、ある種の連帯感のようなものを読者は感じることだろう。
(中嶋愛)
- [2006/04/22 07:54]
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